日本酒入門者のボクは、1,000円ぐらいの日本酒買うときも悩みます。
なぜか?
日本酒ラベルに書いてあることの意味がわからない!
どれ買ったらいいか、わからん!
(ノД`)・゜・。
このままじゃ、自分に合う日本酒を探せないかも?
ということで、日本酒ラベルの見方について勉強してみました。
日本酒初心者の方。
日本酒選びの参考にどうぞ!
日本酒ラベルの表示ルール
酒屋に行って、日本酒を買おうとラベル見たものの・・・。
入門者には、どんな日本酒なのかチンプンカンプンです。
たとえば、こんな感じです。
ここに書いてあることの意味が分かると、日本酒選びがチョット楽しくなるかも!
ということで、覚えてみようと思います。
まずは、日本酒ラベルに何が書かれているのか調べてみました。
日本酒(清酒)ラベルは、原則として次の事項を表示することになっています。
- 原材料名
- 製造時期
- 保存又は飲用上の注意事項
- 原産国名(輸入品の場合)
- 外国産清酒を使用したものの表示
- 製造者の氏名又は名称
- 製造場の所在地
- 容器の容量
- 清酒(「日本酒」でも可)
- アルコール分
このへんは、読んだらわかりそうな内容ですね。
特定名称を表示する清酒は、原材料名の表示の近くに精米歩合を併記します。
特定名称や精米歩合のことは、香味の大きな手掛りになるので覚えておきたいところ。
どちらも、この記事でまとめてます。
参考にどうぞ。
-
初心者でも日本酒選びが楽しくなる!特定名称8種類を覚えよ
ちゃんと日本酒を選んで飲みたいな~、なんて思い始めた今日この頃。 今までそんなこと考えたことなかったので「純米酒って?吟 ...
次に挙げる項目は、それぞれの要件に該当する場合に表示することができます。
- 原料米の品種名
- 清酒の産地名
- 貯蔵年数
- 原酒
- 生酒
- 生貯蔵酒
- 生一本
- 樽酒
- 極上、優良、高級(自社の清酒のランク付けとして)
- 受賞の記述
いよいよ聞きなれない日本酒用語が出てきました。
あとで、まとめて説明します。
逆に、記載してはいけないこともあります。
次の事項がラベルに書いてあったら、それはNGです。
- 清酒の製法、品質等が業界において「最高」、「第一」、「代表」等最上級を意味する用語
- 官公庁御用達又はこれに類似する用語
- 特定名称酒以外の清酒について特定名称に類似する用語
表記に関する細かい説明は、ココに載ってます。
参考 国税庁「清酒の製法品質表示基準」の概要
上記のもの以外は、事実に基づき別途説明表示する場合に限り表示OK。
以下の項目は、よく表示されているのを見かけますね。
- 日本酒度
- 使用酵母
- 酸度
- アミノ酸度
- 味のタイプ
- 飲み頃温度
↑このへんは、日本酒の味を判断するのに大事な情報ですね。
日本酒のラベルには、たくさんの情報が載っています。
酒瓶を手に取り、わずかな時間で全部読み、買う日本酒を決める・・・。
初心者には、無理です。
思い切って、見る項目を絞った方が悩まずに選べますよね。
初心者が日本酒ラベルで注目すべきポイント
さて、日本酒ラベルの表示項目はかなりの数になります。
ボクみたいな日本酒入門者が全部に注目するのは・・・難しいです。
そこで、注目すべき項目を5つまで絞り込むことにしました。
では、さっそく。
入門者が日本酒ラベルで注目すべき5つのポイントはこちら。
- 原材料名
- 製法・性質を表す表示
- 日本酒度
- 酸度
- 飲み頃温度
順番に、もう少し詳しくみていきましょう。
原材料名
原材料名で注目したいのは、精米歩合と醸造アルコールです。
精米歩合の高い、低い。
醸造アルコールの添加(略してアル添という)有る、無し。
この2つで日本酒の香味がかなり違ってきます。
アル添なしの日本酒が好きなのか?アル添ありの日本酒が好きなのか?
まずは、ここから注目です!
ザックリとした目安は、精米歩合が低いと雑味が少ないクリアな味。
精米歩合が高いと“米”を感じる濃醇な味わいになります。
アル添した日本酒は、香り高くスッキリした味わいになります。
製法・性質を表す表示
日本酒の製法・性質を表す表示には、香味の想像ができるものが多いです。
聞きなれない専門用語も多いので、覚えておくと便利です。
いくつか例を挙げてみますね。
かなり多いので、面倒なら太字だけ読んでください!
酒母(しゅぼ)造りに関する表示
- 生酛、山廃酛
- 人工的に乳酸菌を加えず、自然界の乳酸菌を取り込んで酒母を造る製法。現存製法の中で最も古い。
- 手間暇がかかり、腐造や酸敗のリスクが大きいので敬遠されがち。成功すると、シッカリした酒質の日本酒になる。
- 山廃酛は、生酛から“山卸”という工程をなくした製法。
醪(もろみ)造りに関する表示
- 貴醸酒(きじょうしゅ)
- 醪作りで使う仕込水の代わりに、一部を日本酒で仕込んだもの。極めて濃醇な味わいと甘味が特徴。
上槽(搾り)に関する表示
- 荒走り(あらばしり)
- 搾るときにプレスせず、酒袋の重みだけで自然に(最初に)出てくる日本酒。香り高く、フレッシュな味わいが特徴。
- 中取り(なかどり)
- “中汲み(なかぐみ)”“中垂れ(なかだれ)”とも言いう。荒走りの次に取れる部分。香味がよく、品質が安定している。
- 責め(せめ)
- “押し切り(おしきり)”とも言う。圧搾により、最後に取れる部分。比較的アルコール度が高く、濃い味わい。
- 袋吊り
- “袋しぼり”“雫しぼり”とも言う。醪を入れた酒袋を吊り下げ、そこかから滴り出た日本酒。
- クリアで繊細な香味。お酒の持ち味が発揮される。雫酒とも呼ばれ、鑑評会出品酒に使われる。
- 斗瓶取り
- “斗瓶囲い”とも言う。袋吊りで搾った酒を斗瓶に取り分け、さらにそこから良いものを選ぶ方法。鑑評会出品酒に使われる、珠玉の日本酒。
- しぼりたて
- 新酒のこと。新鮮な香味が特徴。
滓引き(おりびき)・濾過(ろか)に関する表示
- 滓酒(おりざけ)
- 滓引きでタンクの底に沈んだ“滓”をからめた日本酒。米のエキスが凝縮された味わい。
- 無濾過
- 滓引きのあと、あえて濾過しない日本酒。日本酒本来の色や香味が強く残る。
- にごり酒
- “おりがらみ”とも言う。粗く濾過した日本酒。フレッシュな香味と酸味が特徴。
火入れに関する表示
- 生酒
- いっさい加熱処理をしない日本酒。フレッシュで荒々しい風味が特徴。
- 生貯蔵酒
- 加熱処理をしないで貯蔵し、瓶詰前に加熱処理した日本酒。
- 生詰酒
- 加熱処理をして貯蔵し、瓶詰前は加熱処理しない日本酒。
- ひやおろし
- 酒蔵で半年ほど熟成させたあと、9月~10月ごろに出荷される日本酒。日本酒ファンに人気。
- 涼しい季節に出荷するので、瓶詰前の加熱処理をしないことから「ひやおろし」と呼ばれる。
貯蔵に関する表示
- 樽酒
- 杉樽などで貯蔵することで、樽の香りが移った日本酒。奈良の吉野杉の樽酒が有名。
- 古酒
- 熟成酒や秘蔵酒とも表記される。前年度以前に造られた日本酒。
- 長期熟成されたものは、琥珀色で熟成香が出る。味も香りも濃厚で、まろやか。
加水調整に関する表示
- 原酒
- 醪からお酒を搾り出したあと、水を加えてアルコール分調整をしていない日本酒。(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く)
- アルコール度が高く、ロックでも美味しい。
製法・性質を表す表示は、かなりたくさんあるので覚えにくい・・・。
でも、これを覚えると日本酒選びが楽しくなります。
レッツ、トライ。
本や酒蔵のホームページを参考に、醸造工程をノートに書き写してみてください。
製法・性質を表す専門用語が、驚くほど覚えられます。
拙ブログでも、日本酒の醸造工程をまとめてます。
ご参考にどうぞ。
-
蔵見学前に覚えておきたい!日本酒の作り方を15ステップで解説
醸造・酒造業界では、7月1日から新しい醸造年度を迎えます。 ということで、今年も7月1日を超え「平成29年度(BY29) ...
日本酒度と酸度
日本酒度と酸度は、お酒の甘辛の参考になります。
日本酒度と酸度は一緒に考えた方が役に立つので、併せて覚えます。
- 日本酒度とは?
- 15℃にした日本酒と、4℃の蒸留水の比重。4℃の蒸留水より軽いものは+(プラス)。重いものは-(マイナス)。
- 糖分は重くアルコールは軽いので、日本酒度が低いほど甘口になる傾向がある。
- 酸度とは?
- 日本酒に含まれる酸(乳酸、リンゴ酸、コハク酸など)の量を示す指標。
- 味の相互作用により酸味は甘味や旨味を抑制するので、酸度が高いと辛口に感じる。
日本酒の甘辛は、日本酒度と酸度を見ることで想像できます。
(ただし、味覚は人によって感じ方が違うので、あくまで参考です)
グラフを使って図示すると、以下のようになります。
グラフによると、好みに合う日本酒の探し方は以下のようになります。
- 味わい濃醇で甘口が好き
- ⇒ 酸度が高めで、日本酒度は低い日本酒から探す。
- 味わい淡麗で甘口が好き
- ⇒ 酸度が低く、日本酒度も低めの日本酒から探す。
- 味わい濃醇で辛口が好き
- ⇒ 酸度が高く、日本酒度も高めの日本酒から探す。
- 味わい淡麗で辛口が好き
- ⇒ 酸度が低めで、日本酒度は高い日本酒から探す。
飲み頃温度
日本酒は、温度によって香味が変わる奥深いお酒です。
銘柄ごとに美味しく飲める温度帯があるので、おすすめ温度をチェックしておきます。
日本酒を飲む温度については、こちらで詳しくまとめています。
参考にどうぞ。
-
日本酒の飲み方入門♪冷酒って?熱燗って?最適温度は何度?
日本酒は、いろんな飲み方で楽しめます。 そのまま飲むのが好きな人もいれば、カクテルにするのが好きな人もいるでしょう。 ダ ...
まとめ
日本酒入門者にとって、日本酒選びは難関です。
ラベルの記載事項を見ても、最初はチンプンカンプンです。
そこで、日本酒の香味が想像できる記載事項から5項目に絞って掘り下げてみました。
5つのポイントをチェックしながら購入してみる。
飲んでみた感想をふまえて、次の日本酒選びに活かす。
学び楽しみながら、お気に入りの日本酒をみつけたいですね。