うまい日本酒って、それだけでも美味しいですよね。
で、料理とマッチすると・・・さらに美味さがアップします!
でも、料理によっては合わない日本酒もあるわけで・・・。
できるだけ、ミスマッチは避けたいですよね。
ということで、今回は料理に合う日本酒の選び方について調べてみました。
料理と日本酒のマッチングを探している方。
ご参考にどうぞ。
味の基本“五味”とは?
料理に合う日本酒を探す前に、まず“味”の基本を知っておこうと思います。
そうすることで、料理と日本酒のマッチング探しが楽しくなるからです。
どうぞ、お付き合いください。
「いやいや、早く具体例を出せ!」という方は、こちら。
では、まず五味の話から。
基本となる味は、5つあるそうです。
基本の五味
- 苦味
- うま味
- 甘味
- 鹹味(かんみ)
- 酸味
食べ物は、この五味の強弱によって味わいが変わります。
ちなみに、鹹味(かんみ)とは塩からい味のことです。
例えば、AISSY株式会社の味覚センサーレオによると、バニラアイスとレモンはこんな感じになるそうです。
バニラアイスにレモンをかけると、こうなります。
チャート:味覚を意識すれば、科学的においしい料理が作れる!?より
味覚の三角形ができると、美味しくなるのだとか。
「バニラアイス+レモン」は、チーズケーキみたいになるそうですよ。
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一台欲しい・・・。
この動画も、おもしろいですよ。
なぜ、ステーキと赤ワインが合うのか?
なぜ、白身魚のカルパッチョと白ワインが合うのか?
そんな疑問に、味覚センサーレオを使って解説してくれています。
味をチャートで表現してくれているので、すごく説得力があります。
なるほど、なるほど。
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あんたがワインと料理のマッチングを語るなど、百年早いわ!!
AISSY株式会社の味博士は、クックパッドでコラムを連載されています。
おもしろいし勉強になるので、オススメですよ!
味の温度と時間による変化
味は、温度によっても感じ方が変わるそうです。
感じる味の強さと温度の関係をグラフにすると、こんな感じです。
甘味は、体温ぐらいでもっとも強く感じます。酸味は、温度による変化がありません。
塩味と苦味は、高温になるほど弱く感じます。
ちなみに、日本酒と温度の関係についてはコチラの記事もあわせてどうぞ。
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うま味は、高温ほど感じやすいな。
さらに、味には“持続性”があります。
つまり、後味が続く味覚とすぐに無くなる味覚があるのです。
ちなみに、苦味・うま味・甘味が舌に残りやすい味覚です。
塩味と酸味は、すぐに消えてしまいます。
日本酒も酸度が高く辛口の方が、後味のキレがいいですよね。
味の対比効果と抑制効果、相乗効果
味どうしがお互いにどう影響するか・・・もみておきましょう。
2つ以上の味を合わせると、一方が他方を強めたり、弱めたりします。
この相互作用を対比効果、抑制効果、相乗効果といいます。
- 対比効果
- メインの味Aに少量の味Bを加えると、味Aが強くなったように感じる効果。スイカ(甘味)に塩(鹹味)をかけると、甘く感じるなど。
- 抑制効果
- メインの味Aに少量の味Bを加えると、味Aが弱くなったように感じる効果。コーヒー(苦味)に砂糖(甘味)を入れると、苦味が減るなど。
- 相乗効果
- 同じ味どうしを組み合わせると、その味が強くなったように感じる効果。カツオ(うま味)と昆布(うま味)でダシを取ると、うま味が増すなど。
「スイカに塩」の対比効果は有名ですね。
よく言われる味の相互作用を表にまとめてみました。
参考文献:基本的四味の相互関係について(PDF)
参考文献:鰹だし添加による酸味・酸臭抑制効果の検証(PDF)
たとえば、味の相互作用を使ってゴーヤチャンプルを作るとしましょう。
ゴーヤは苦いです。
そこで塩味(鹹味)を足すと、苦味が抑制されます。
さらに酢を少量加えると、どうなるでしょうか?
苦味が抑制され、塩味は対比で際立ちます。
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苦味、旨味、塩味、酸味のバランスが整うとコクも出るね。
五味、味と温度、味と時間、味の相互作用。
調味は、奥が深いですね。
でも、これを知っていると、論理的に料理と日本酒のおいしいマッチング探しができます。
料理と日本酒の合わせ方
料理に日本酒を合わせるとき、大雑把に言うと2つの役割あります。
- 味の調和
- 口中のリフレッシュ
味の調和とは、料理の持つ五味に日本酒の持つ五味をバランスよく合わせることです。
全体のバランスが合うと、料理もお酒も美味しくなります。
調和を考えるときは、上述の基本五味の知識が役に立ちます。
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そこにアルコールの苦味と米の甘味が強い日本酒を合わせる・・・みたいな感じか?
さらに、料理が持つ特徴的な味と日本酒が持つ特徴的な味の強さを合わせることも大切です。
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料理の味が淡泊なのにお酒の味が強いと、料理の味が打ち消されてしまいます。
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味が淡泊な料理には、淡麗な日本酒を合わせるということやね!
リフレッシュは、油っこい料理や濃い味の料理で使いたいテクニックです。
後味のキレがよい酸味や苦みを利用して、口の中に残る味や油をスッキリさせます。
![](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2019/12/datto-talk01-300x300.png)
料理に合う日本酒の具体例
じつは、料理に合う日本酒の具体例は、いろいろな酒蔵のサイトで提案されています。
たとえば、こちら。
プロの提案を見てもらえば、それで終わる話なのですが・・・。
せっかく勉強したので、ボクなりに見解を書いてみたいと思います。
しかも、白鶴酒造さんと同じ料理で書くという怖いもの知らず・・・。
では、さっそく。(震え声)
焼き鳥に合う日本酒
![やきとり](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2017/07/yakitori.png)
焼き鳥は、塩(塩味、旨味)かタレ(塩味、旨味、甘味)で変わってきます。
塩味はキレがいいので、日本酒も淡麗辛口で苦味と酸味が感じられるものがGOOD!
味も香りもスッキリした本醸造酒や生酒がいいのではないでしょうか。
タレはうま味・甘味・塩味がほどよく濃いです。
日本酒は酸味と苦味があり、甘味やうま味もタレの焼き鳥に負けないものが合いそうです。
甘みと旨味を残しつつ、酸味も感じられる純米吟醸で食べたいですね。
アルコールの苦味が残る原酒とも合わせたいところ。
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天ぷらに合う日本酒
![天ぷら](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2017/07/tenpura.png)
夏野菜や鱚(きす)の天ぷら、おいしいですよね。
天つゆにするのか?塩にするのか?によって、合わせたい日本酒が変わります。
天つゆ(塩味、旨味、甘味)なら辛口の純米吟醸(純米大吟醸)。
塩(鹹味)なら、淡麗辛口の吟醸酒(大吟醸酒)を合わせたいですね。
油をリフレッシュさせたいので、辛口ってところがポイントです。
お刺身に合う日本酒
![お刺身](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2017/07/sashimi.png)
お刺身では、魚の淡泊なうま味をシッカリ感じたいところ。
ワサビや醤油との相性も考えたいですね。
醤油の甘味は、地域によって好みが違うそうです。
醤油の甘さに合わせた、淡麗な純米吟醸酒、本醸造酒、生酒が好相性です。
余談ですが、ワインはお刺身の臭みを強くすることもあるそうです。
魚に合うのは、海に囲まれ魚を食べ親しんできた日本の酒!ですよね。
お酒とシーフードの相性を科学する(PDF)
おでんに合う日本酒
![おでん](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2017/07/oden.png)
「おでん」ということで、冬を想定しましょう。
うま味、甘味、塩味がマッチしたおでんを食べながら、温まりたいですよね。
おでんは味が濃いので、濃醇な味わいの日本酒が好相性。
米の味わいをシッカリ残した純米酒や長期熟成酒(古酒)が合います。
熱燗や飛び切り燗にすると、日本酒の苦味や塩味が下がります。
相対的にまろやかな甘味と酸味が立つので、おでんのコクを深めます。
すき焼きに合う日本酒
![すき焼き](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2017/07/sukiyaki.png)
三嶋亭のすき焼き、おいしいですよね。
大丸とか高島屋ですき焼膳を食べると、幸せな気分になります。
さて、すき焼きと言えば砂糖醤油と生卵。
濃厚な甘味、塩味、旨味を考慮して日本酒を選びたいところです。
やっぱりここは、濃醇な純米酒や長期熟成酒(古酒)が好相性でしょう。
まとめ
五味のことを知っていると、日本酒選びが格段に楽しくなります。
味覚は個人差があり体調なんかも影響するので、一概に正解が出せないのが難しいところですが・・・。
食べる料理の味を五味に分けて考え、強さも意識する。
そのうえで、同じぐらいの強さの味を持つ日本酒を合わせると、好相性になりやすいようです。
風土のマッチも、大事です。
ハモに京都の日本酒とか、鮒寿司や近江牛に滋賀の日本酒とか。
郷土料理には、地酒がよく合いますよ。
![](https://sake.web-writer.blog/wp-content/uploads/2019/12/datto-talk01-300x300.png)
色々試しながら、自分にあったマッチングを見つけたいですね。
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