家飲みログ、69~71本目。
佐々木酒造さんの「西陣 特別純米酒」3銘柄で飲み比べしました。
ラインナップは、以下のとおり。
- 西陣 特別純米(通年商品)
- 西陣 特別純米 しぼりたて
- 西陣 特別純米 原酒熟成酒
飲み比べって、すごくいいですね。
別々で飲むと気づかないわずかな個性の違いも、拾いやすいです。
家飲みのスタイルのひとつとして、大有り。
楽しかったので、レポします。
ではさっそく。
佐々木酒造「西陣 特別純米酒」飲み比べの感想
佐々木酒造さんの近くに行く用事があり、これ幸いと立ち寄ってみました。
直売所をのぞくと、タイミングよく「西陣 特別純米酒」3銘柄がそろいぶみ。
通年商品にくわえ、秋限定「原酒熟成酒」と冬限定「しぼりたて」も買えました。
佐々木酒造さんの少し北には、織物で有名な西陣地域があります。
通年商品の「西陣」の掛け布は、その西陣織の金襴(きんらん)が使われてて豪華。
さて、飲み比べた感想を。
「西陣」はどれも、さわやかな甘味と苦味が静かに広がる京都らしいお酒です。
味わいはスッキリしていて、単体で飲むよりペアリングした方が活きるタイプかな?
冷酒から人肌燗ぐらいがおいしくて、原酒熟成酒はさらに温度を上げてもグッドです。
それぞれの特徴を抜き出し、書いておきますね。
飲み比べのラインナップと、それぞれの特徴
- 西陣 特別純米(通年商品)
- 甘味・酸味・苦味のバランスの良さは西陣シリーズ随一。穏やかな甘い香り。味わいも穏やか。
- スッキリしてるのに、飲みごたえがある感じが素晴らしい。シッカリ地に足ついてる感じがするお酒。
- 西陣 特別純米 しぼりたて
- 西陣のしぼりたて原酒。若々しく勢いを感じる。スーッとする爽やかな香りと、フレッシュな酸味や苦味が楽しめる。
- 燗にするより、常温か冷酒で飲む方がいい感じ。揚げ物や魚など、後味を引き締めたい料理に使いやすそう。
- 西陣 特別純米 原酒熟成酒
- 低温熟成した西陣。シリーズの中ではもっとも力強く、味幅を感じる。原酒(加水なし)のわりに、飲みやすい。
- ふくよかで、苦味を連想する香り。ほどよい複雑味と、フルーティー感を持った味わい。燗にするならこれが一番美味しい。
1本1本飲んでるとなかなか気づきにくいことも、飲み比べるとよくわかります。
「西陣」シリーズは「米・水・酵母・もやし」が同じ。
加水や熟成の違いだけなので、なおさら飲み比べで差を感じるのが楽しいです。
もう少し細かく、味わいの比較をしてみます。
飲み比べの感想
まず、味わいの強さから。
基本的にどれもスッキリ系なんですが、やや「原酒熟成酒」が力強いです。
次いで「しぼりたて」で、通年商品が一番優しいですね。
ちなみに「原酒熟成酒」は後味に力強さがあり「しぼりたて」は最初に勢いを感じました。
味わいの力強さ
甘味は、どうでしょう?
どれも似た優しい甘味の系統で、ごはんやブドウ糖を連想します。
わずかに「原酒熟成酒」が甘く感じます。
甘味の強さ
酸味は、ほぼ同じぐらいに感じます。
とても穏やかな酸味で、甘味や苦味に寄りそうようです。
しいて言うなら「しぼりたて」がやや強いかな?
酸味の強さ
つづいて、味わいのバランスや丸さなど。
通年商品のまろやかさがダントツ。
味わいのバランスがよく、飲みやすいです。
「しぼりたて」と「原酒熟成酒」は似てるけど、原酒の方が力強いぶんゴツゴツ感あるかな?
味わいの丸さ
つづいて、余韻。
通年商品と「しぼりたて」は、同じぐらい。
どちらもハケよく、スーッと味が消えていきます。
原酒熟成酒は酸味や苦味を感じるあたりがパワフルで、余韻も伸びます。
味噌や醤油を使った、余韻を楽しみたい料理と相性がよさそうです。
余韻の長さ
最後に、燗酒の適正を。
「原酒熟成酒」の燗が、うまいです。
辛さも甘味もあって、コクがある。味わいの膨らみもある。
通年商品は穏やかで飲みやすいけど、穀物を連想する雑味が少し目立ちます。
しぼりたては、香りでむせますね。味わいも、モワッとゴワっとした感じ。
燗酒の適正
ということで「温かい料理&燗酒」で楽しむなら「原酒熟成酒」がイチオシ。
キリっと冷やして楽しむなら「しぼりたて」がイチオシ。
常温から人肌燗ぐらいでユルリと楽しむなら、通年商品。
通年商品は、底力を感じます。ペアリングの名脇役になってくれそう。
それから、しぼりたてには同情する。
( #゚Д゚)=○)`Д゚).・;’∴ホラ、シボラレタ
・
・
・
ということで、うちでは通年商品が一番最初に空きましたとさ。
佐々木酒造「西陣」でペアリング
「西陣 特別純米酒」といっしょに楽しんだ料理も、あげておきます。
まずは、和風ハンバーグから。
和の料理人・ゆーたろーさん(@Yutaro13m)のnoteを参考に作りました。
ちなみにレシピにあった「米麹パウダー」は買えず、未使用です。
あと、玉ねぎを追加してます。
ハンバーグの上に乗った「大根おろし、ミョウガ、大葉」のおかげで、めっちゃ和風。
ポン酢も相まって、ワインより日本酒が飲みたくなる料理になってます。
西陣シリーズでは、常温の通年商品がよく合いました。
つづいて、チンジャオロース。
さっぱり優しい味付けで。
これは、おどろき。
やや、西陣に負けてしまいました。
もう少しシッカリした味付けでもよかったのかな、と。
健康には、薄味の方がいいんですけどね。
つづいて、野菜にチーズを乗せてオーブンで焼いてみました。
ドラムチキンもいっしょに。
これは「料理の味が淡泊すぎるか?」と思ったんですが、意外と合いました。
チーズの旨味や塩味がよかったのかなぁ?
冷やした「しぼりたて」の苦味が、この料理によく合いました。
つづいて、野菜鍋。
これも「西陣」に負けぎみです。
鍋に合わせるお酒は、常温より燗にするほうが心地よいですね。
燗にするなら「原酒熟成酒」です。
通年商品の人肌燗(35℃前後)もいいかも。
つづいて、ロールキャベツ。
トマトの甘旨味と日本酒の甘旨味って、けっこう相性いいと思ってます。
これも、燗にした「原酒熟成酒」がいい感じ。
つづいて、豚バラと大根とゆで卵を煮たもの。
煮豚とか角煮は、うちでサッパリ煮るにかぎりますね。
レトルトなんかは味が濃すぎて、甘旨濃醇系日本酒じゃないと手に負えないです。
西陣シリーズは、どれもよく合いました。
最後に、佐々木の蔵人ひっきーさん(@ookina_kurabito)のオススメを。
お漬物をオツマミにすると「西陣」がキラッと光る主役酒に。
お漬物の酸味が、西陣の甘旨味をブワッと押し広げてくれるんですよね。
豊かな味わいになって、しあわせ感がアップします。
ちなみに合わせたのは京都を代表する漬物、千枚漬けとすぐきです。
今回は、佐々木酒造さんへ行ったタイミングがよかったです。
「西陣」3本まとめて買えるのって、わずかな期間だけ。
別嬪の店員さんに勧めていただいたので、勢いで買っちゃったんですけど。
おかげで、それぞれの特徴がわかる楽しい飲み比べができました。
( #゚Д゚)=○)`Д゚).・;’∴マタ、シボラレタ
・
・
・
安いお酒じゃないので、めったに食卓に上げられないけど。
どこか料理がおいしい飲み屋さんでみつけたら、リピートしたいところです。
「西陣 特別純米」3銘柄の詳細
最後に「西陣 特別純米」3銘柄の詳細を書いておきますね。
「西陣 特別純米(通年商品)」の詳細
分類 | 特別純米酒 |
---|---|
酒米 | - |
精米歩合 | 50% |
アルコール度 | 15度 |
日本酒度 | +3.0 |
参考価格 | 1,800円(税別)/720ml |
「西陣 特別純米 しぼりたて」の詳細
分類 | 特別純米酒 |
---|---|
酒米 | - |
精米歩合 | 50% |
アルコール度 | 17度 |
日本酒度 | +3.0 |
参考価格 | 2,000円(税別)/720ml |
「西陣 特別純米 原酒熟成酒」の詳細
分類 | 特別純米酒 |
---|---|
酒米 | - |
精米歩合 | 50% |
アルコール度 | 17度 |
日本酒度 | +3.0 |
参考価格 | 1,945円(税別)/720ml |
まとめ
佐々木酒造さんの「西陣 特別純米」3銘柄で飲み比べをしました。
1本ずつ飲んだら気づかないような差を味わえたので、めっちゃ満足です。
「西陣」は基本的にスッキリ端麗タイプの日本酒だなと感じました。
口に含むと、京酒らしいさわやかな甘苦味が静かに広がっていきます。
ペアリングは、薄い味付けの料理以外なんでも合わせやすかったです。
味見では純和食の方が合うかなと思ったんですけど、洋食系でも大丈夫でした。