約1年がかりで山本本家さんの「神聖伏見 酒米の会」に参加してきました。
田植えから始まり、稲刈りや酒造り体験を経て、最後に日本酒を2本いただけます。
お酒ができるまでの工程をかい摘んで体験できるので、とても有意義な会でした。
毎回、イベントの後に飲み会が付いてるのも嬉しい!
人気みたいで、2018年度は50名以上の方が参加してたようです。
ということで、さっそくレポしていきますね。
山本本家「神聖伏見 酒米の会」参加レポ
さっそく、酒米の会のイベントの様子をレポしていきます。
流れとしては、こんな感じ。
- 祝米の田植え体験
- 酒造り体験
- できた日本酒の贈呈式
では、順番にいきますね。
酒造好適米「祝」の田植え体験(平成30年5月26日)
2018年度の「酒米の会」は、5月26日の田植えからスタートしました。
当日は曇天で、作業しやすそうな天気でした。
集合場所は酒処伏見の南玄関・中書島駅だったんですけど、駅に着いたらもうドキドキ。
田植えなんかやったことないし、うまくできるんだろうか・・・。
とりあえず、駅の改札にあった菰樽(こもだる)を見て気分を落ち着かせます。
全員がそろったところで、田んぼへ向けて出発。
道中の家屋で作業できるかっこうに着替え、もう少し歩くと田んぼに到着です。
まずは、山本本家取締役・山本さんの開会の挨拶から。
小ネタを挟み込みつつ、笑いが起こる名スピーチでした。
続いて、ご祈祷。
なんか、おごそかな気持ちになってきます。
それにしても、伏見にこんな田んぼエリアがあったとは。
初参加でも、安心でした。
ちゃんと、農家の方が植え方をレクチャーしてくれます。
ちなみに今回植えるのは、京都の酒造好適米「祝(いわい)」です。
田んぼには縄が張られ、1区画が2坪(1.8m×3.6m)ぐらいに区切られてました。
で、1人でこの1区画~2区画を担当する感じ。作業が早い人は、2区画ね。
ほな、いざ行かん!
一心不乱に、苗を差し込んでいきます。
こ、腰が痛い・・・。
手元の苗が無くなったので「くださーい!」と叫ぶと、近くの畔(あぜ)から飛んできます。
キャッチに失敗すると「バシャ!」と田に落ち、泥水をかぶることになるという・・・。
そこら中で「ワー!キャー!」と楽しそうな声が響き渡ります。
こういう時間は、アッと言う間に過ぎていきますね。
田植えは、性格出ますね。
まっすぐ、等間隔に植える人。グネグネとダイナミックに植える人。
ちなみに、田植え専用の長靴とかは準備する必要ありませんでした。
靴下で参加できます。(泥が繊維に入り込むので、捨ててもいい靴下がベスト)
それと、畔を歩くのでビーチサンダルがあると便利です。
田植えが終わり、足を洗ったらお待ちかねの飲み会です。
山本本家さんが運営する鶏料理屋、鳥せいさんの焼き鳥弁当付き。
お酒も、いろいろ出してくださいました。
「上撰 本醸造 鐵斎(てっさい)」がお弁当と合ってて、メチャおいしかったです。
ということで、この日はこれにて終了。
このあと、黄桜カッパカントリーとか寺田屋に寄ったり。
ほろ酔いで、伏見をブラブラして帰りました。
伏見銘酒協同組合で酒造り体験(平成31年2月16日)
続いては、酒造り体験に参加してきました。
山本本家さんのお酒は、伏見銘酒協同組合というところで造られてます。
この組合は伏見4蔵が共同出資して作ったもので、醸造工場を運営しています。
伏見銘酒協同組合
- 山本本家(神聖)
- 鶴正酒造(鶴正宗)
- 豊澤本店(豊祝)
- 平和酒造(慶長)
まずは、伏見の酒蔵の歴史などを教えていただきました。
見せていただいた表を見ると、H4年からH22年の間に15社も無くなってるそうです。
(他の地域に移転した蔵もあり)
これには、びっくり。
残ってる醸造会社には、続いて欲しい・・・。
そのあと、酒造りの工程に沿って工場を見学させていただきました。
お酒がどうやってできるのか具体的にわかるので、勉強になります。
どの設備も大きくて、蔵というより「醸造工場」という方がシックリきますね。
さて、いよいよ酒造り体験です。
本来、自分たちで植えたお米を使う予定だったのですが・・・ハプニングが。
今回は、違う祝米で仕込むことに。残念だけど、興味深い体験でした。
ということで、まずは祝米が蒸しあがるのを待ちます。
蒸気で蒸すから、モウモウと湯気が立ち上がりすごい迫力ですね。
米が蒸しあがったら、素手で広げてほぐしていきます。
そこら中から「熱っち!熱っち!」と悲鳴が。笑
こうすることで、中はしっとり外はカラッとした蒸米になるそうです。
このような外硬内軟のお米は、麹(こうじ)が芯深くまで食い込みやすいのだとか。
ちなみに、山田錦は外硬内軟になりやすいそうです。
祝米はモッチリねばつき、ほぐすのが大変でした。
放冷した蒸米は、みんなでバケツリレーして仕込みタンクに放り込みます。
酒米の会のタンクは、2本。
それぞれ酵母を変えて、純米吟醸酒として仕込まれます。
櫂入れも、させてもらいました。
これが、けっこう重い。
うまく育って欲しいなぁ。
美味しくなって欲しいなぁ。
そんな気持ちで、優しく混ぜておきました。
さて、酒造り体験のあとはお待ちかねの試飲会です。
今回の酒盛りは、ヤブタ(搾り機)の前にて。
またまた山本本家さんのお酒がズラッと並び、飲む前から舞い上がりそうです。
宴もたけなわ。
取締役の山本さんを囲み、とても盛り上がってました。
蔵元さんと距離が近いのって、なんかいいですね。
これから山本本家さんのお酒を買うとき、山本さんのお顔が浮かびそうです。
お酒に限らず、生産者さんの顔が浮かぶと美味しく感じますよね。
今回も、「上撰 本醸造 鐵斎」が一番シックリきました。
これ、好き。
家庭料理に合わせやすい、と思います。
できた日本酒の贈呈式 in 三栖神社(平成31年3月30日)
仕込みを手伝った醪(もろみ)が絞られ、ついに贈呈される日を迎えました。
集合場所は、伏見中書島駅近くにある三栖神社の御旅所(おたびしょ)。
ご祈祷していただいたあと、お酒2本と酒粕をいただけるそうです。
天気予報では、このあと雨。
もうしばらく、もって欲しいところ。
参加者が集まり、さっそく本殿でご祈祷が始まります。
「日本酒って、お神酒(おみき)なんだな」と、ふと実感する瞬間ですね。
さて、ご祈祷が終わったらお待ちかねのカンパイです。
毎回イベントの度に山本本家さんのお酒が飲めるので、素敵な会ですね。
ちょうど桜が咲き始めたころで、花見酒となりました。
観光の十石船も通り過ぎていくので、伏見らしい情調に浸れます。
乗ってる人に「あの人たち、酒盛りしてるよ」的な目線で凝視されますけど。
餅つきも始まり、つき立てのお餅をいただきました。
おろしポン酢ときなこで。
これがまた、日本酒に合う。
ここでついに雨が降ってきたので、お開きに。
ホント、毎度楽しい体験ができる会でした。
いただいた贈呈品の中身は、お酒2本と酒粕。
それから、祝米のオマケも。これは、ハプニングで使えなかったお米かな?
炊飯して、味わってみたいですね。
いやぁ、それにしても有意義な経験ができる会でした。
もっと理解を深めるため、また参加したいなぁ。
次こそは、自分たちで植えた祝米を使いたい!
山本本家「神聖伏見 酒米の会」とは?
「参加してみようかな?」と思った方へ。
もうちょっと情報を補足しておきますので、参考にどうぞ。
概要
「神聖伏見 酒米の会」の第1回目は、タウン情報誌「Leaf」さんのイベントだったそうです。
そこから山本本家さんが独自に続け、今の形になったとのこと。
一般募集は、例年「伏見の清酒 日本酒まつり」のときに開始されます。
(蔵開き会場で募集要項を配布しています)
概要は、以下のとおりです。
概要 | 田植え体験と酒蔵見学ができ、最後に完成した日本酒が贈呈される |
---|---|
定員 | 50名(50名を超えたら抽選) |
参加資格 | 20歳以上(お子様同伴や未成年の参加は禁止) |
参加費 | 10,000円 |
贈呈品 | しぼりたての日本酒720ml×2本、酒粕 |
今年度も定員に達してたので、参加するなら早めに申し込みましょう。
気になる方は、以下のメールアドレスに問い合わせしてみてください。
2019年度の募集は、4月15日で締め切りとなります。
yamamotohonke@genbe.jp(←@を半角に変えてください)
イベント内容
さて、酒米の会のイベントですが・・・。
じつは、上述したもの以外にも2回ありました。
「神聖伏見 酒米の会」の流れ
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1田植え体験(5月~6月ごろ)
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2田んぼ見学&懇親会(7月~8月ごろ)
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3稲刈り体験(9月~10月ごろ)
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4蔵見学&酒造り体験(2月~3月ごろ)
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5贈呈式(3月末ごろ)
ご多用の方は、フル出席するのが難しいかもしれませんね。
ボクは、懇親会と稲刈りに参加できませんでした。
稲刈り体験は台風の影響で平日になったり、中止になることもあるようです。
基本的に、イベントの後は山本本家さんのお酒の試飲会が付いてます。
田んぼ見学の後の懇親会(鳥せい本店にて)だけ、別途費用が要りました。
贈呈品
「神聖伏見 酒米の会」の基本的な贈呈品は、以下のとおりです。
「神聖伏見 酒米の会」の贈呈品
- 日本酒720ml×2本
- 酒粕
自分たちで植える酒米は、京都の酒造好適米「祝」です。
贈呈される日本酒や酒粕も、祝米からできたものです。
詳しくは、募集要項を確認してください。
ちなみに、2018年度の酒米の会でいただいた日本酒は以下の2本です。
文字でも、ご紹介しておきますね。
- 神聖 祝 純米吟醸 無濾過生原酒
- 神聖 祝 純米吟醸 原酒
「火入れ&濾過」をしてるかどうか、が違いますね。
それから、酵母も違います。
無濾過生原酒は、京都産業技術研究所が開発した「京の咲(さき)」が使われてます。
この酵母はフルーティな香りとリンゴ酸比率が高くなるので、冷酒に向いてるそうです。
いっぽう火入れ原酒は、京都産技研が実用化を目指す名前のない酵母が使われてます。
こちらは「京の咲」よりカプロン酸エチル生成にすぐれ、リンゴ酸生成比率が高いそうです。
鐵斎めっちゃ良かったわ、鐵斎。
まとめ
1年がかりで山本本家さんの「神聖伏見 酒米の会」に参加してきました。
毎回有意義な体験ができただけでなく、試飲も付いてる楽しい会でした。
イベントは全部で5回ありましたが、内3回に参加することができました。
2回参加できなかったのが、残念。いつか、コンプリートしたいところです。
最後に贈呈式があり、しぼりたての日本酒2本と酒粕がもらえます。
ゆっくりと飲み比べしてみようと思います。