家飲みログ、65本目。
滋賀県長浜市にある山路酒造さんの「北国街道 純米吟醸 ひやおろし」を飲みました。
味わいが上品で、上質感がある日本酒ですね。
「丁寧なお酒」という印象。
わかりやすい特徴的なお酒ではないです。
でも、ついつい杯がすすむ飲みやすさと美味しさですね。
ではさっそくレビューしていきます。
山路酒造「北国街道 純米吟醸 ひやおろし」を飲んだ感想
梅田にある阪急本店で、ときどき「阪急蔵元まつり」というイベントが開催されてます。
蔵元さんや蔵人さんとお話しながらお酒が買える、試飲即売会ですね。
毎回テーマがあるんですけど、第11回目は「各県の最古蔵」でした。
で、滋賀県から山路酒造さん(1532年創業)が出店されてたんです。
山路酒造さんといえば「桑酒」と「北国街道」!
両方買ったんですけど、今回は「北国街道 純米吟醸 ひやおろし」をレビューします。
さっそく、感想を。
ほのかに、洋梨やリンゴのようなフルーティな香りもするね。
酸味はシッカリやけど、奥ゆかしい。苦味はドッシリやけど、角々しさがない。
余韻は、素早くきれいにスッパーン!と引き上げていく感じ。
ついつい杯がすすむ飲みやすさと個性やね。
すごく上品な味わいです。
「上質なお酒、丁寧に作ったお酒」という印象。
日増しに甘味と酸味がまろやかになり、綺麗な苦味が出てきました。
「ひやおろし」らしい角のない味わいで、とても美味しいです。
わりと辛さを感じるので、ウォッシュ効果もあります。
苦味があって脂がのった焼き魚なんかと、合わせてみたいですね。
「北国街道 純米吟醸 ひやおろし」でペアリング
なんか焼き魚で合わせてみたい、ということでサンマから。
サンマの苦味と同調しつつ、辛さが魚臭さを切ってくれます。
旨味の余韻は残って、おいしいです。
大根おろしや、大根のオツマミもいい感じ。
ほんのり苦味がある料理と、うまくマッチしますね。
つづいて、ブリの照り焼き。
ふしぎな感じですよ~。
さっきまで上品だったお酒の甘味が、フルーティな甘味に変ったように感じました。
サンマ同様、魚の臭みを切ってくれるので後味サッパリです。
つづいて、買ってきたものなんですけど串を。
揚げ物の油っぽさも、いい感じで洗い流してくれます。
「次の串、食べたい!」という気になりますね。
ほんと、串や焼き鳥って「日本酒のテッパンおつまみ」ですね。
ダシ巻き、サーモンのマリネ、湯葉と水菜のサラダもお酒がすすみます。
つづいて、かぼちゃのコロッケとササミと梅の大葉巻き。
かぼちゃの甘味とお酒の甘味が、ちょうど同じぐらいのレベルで合います。
優しい甘味が、フワッとひろがっていく感じがしますね。
よい相乗効果です。
つづいて、鮭と野菜の鉄板焼きをポン酢で。
リンゴとチーズと水菜のサラダは、ちょっと酸っぱめのドレッシングで。
料理に酸味があると、日本酒が濃醇&荒々しくなったように感じました。
グラスの形状も、影響したかも。
口すぼまり形状や寸胴形状の酒器だったら、どうなるんだろ?
つづいて、大根に明太子を載せて焼いたもの。
それから、酢豚・・・じゃなくて酢鶏。
大根と明太子、魚卵の風味と大根の苦味がいい感じです。
じゃが明太より、日本酒むき。
「北国街道 ひやおろし」の上品さは、家庭料理をワンランクアップしてくれます。
とくに、魚料理と合わせると活かしあえました。
まるでスキーのストックのような日本酒ですね。
ひと口食べたあと北国街道でポンッと突くと、サッと次のひと口にターンしていけます。
うーむ、素敵な日本酒でした。
滋賀県最古の日本酒蔵、山路酒造の桑酒
冒頭書いたとおり、山路酒造さんは滋賀県最古の日本酒蔵です。
創業は1532年(天文元年)で、全国でも五指に入る歴史を持っておられます。
すぐ近くには1534年創業の冨田酒造さんもあるので、長浜ってすごいところですね。
ちなみに、歴史が長い酒蔵は次のとおり。
歴史が長い日本酒蔵
- 須藤本家(1141年/茨城県)
- 飛良泉本舗(1487年/秋田県)
- 剣菱酒造(1505年/兵庫県)
- 山路酒造(1532年/滋賀県)
- 冨田酒造(1534年/滋賀県)
さて、山路酒造さんといえば「桑酒」が有名です。
その昔、北国街道を旅する人も立ち寄って買い求めるほど評判だったとか。
詩人・島崎藤村も愛飲していて、自筆の注文書が残っているそうですよ。
桑酒は「モチ米・麹・桑の葉」などを焼酎に付け込んで作ります。
みりん製法で造ることもあり、味わいは本みりんと似た雰囲気があります。
なんというか、懐かしい甘味ですね。
ニッキ(シナモン)を含んでいるので、濃醇な甘味の中に香ばしさがあります。
蔵元さんのオススメは、桑酒のモヒートとのこと。
実際にやってみたら、爽快で美味しかったです。
桑酒も、いずれレビューしたいなと思います。
まとめ
山路酒造さんの「北国街道 純米吟醸 ひやおろし」を飲みました。
落ち着きがあり上品な味わいで「上質なお酒、丁寧なお酒」という感じでした。
食中酒として、とっても良いお酒ですね。
キレがよくリフレッシュに最適で、魚料理や油料理と好相性でした。
日増しに甘味と酸味がまろやかになり、綺麗な苦味が出てくるのもよかったです。
他の「北国街道」も飲んでみたいと思いました。
以下、この日本酒の概要です。
醸造元 | 山路酒造 有限会社 |
---|---|
分類 | 純米吟醸酒 |
酒米 | 玉栄 |
精米歩合 | 60% |
アルコール度 | 17度以上18度未満 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
参考価格 | 1,500円(税別)/720ml |