日本酒の適量って、どれぐらいか知ってますか?
ボクは、日本酒の適量を知らずに飲んでました。
調べてみて、ちょっとビックリ・・・けっこう少ないです。
「酒は百薬の長」と言います。
でも、飲み過ぎると健康によくないんですね。
アホレ、スイスイスーダララッタ、スラスラスイスイスイ♪
と歌ってごまかしたいところですが、体を壊したら二度と飲めなくなることも。
ということで、今回は健康に悪い日本酒の飲み方について調べてみました。
レポしますので、若葉マークの酒飲みさんは一緒に学んでおきませんか?
では、さっそく。
日本酒って、どれぐらい飲むと健康に悪いの?
健康に良くない飲み方の代表といえば、飲み過ぎですよね。
では、日本酒はどれぐらい飲むと健康に悪いのでしょう?
最近、こんなニュースを見ました。
お酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1が成人の適正飲酒量とされる「1日当たり日本酒1合」以上のアルコールを摂取していることが、厚生労働省研究班(代表、田宮菜奈子筑波大教授)の分析で1日、分かった。
このうち適正量の3倍を日常的に飲む「多量飲酒」は高齢男性の約5%に達し、適正量が十分に知られていないことが浮き彫りになった。
引用:北海道新聞より(17/10/01 18:38)
これ見て、焦ったんですよ。
「えっ!日本酒の適量って1日1合(約180ml)なの!?」って。
しかも「適正量の3倍=日本酒3合」で多量飲酒者扱いです。
むむ・・・。
うちはそれ以下なのですが、ちょっと不安になって詳しく調べてみました。
そしてら、厚労省の健康情報サイトに以下のように載ってました。
厚生労働省の示す指標では、節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度の飲酒ということになります。
また女性や高齢者、飲酒後にフラッシング反応を起こす人は、これより飲酒量を少なくすべきであると推奨しています。
引用:e-ヘルスネット「飲酒のガイドライン」より
“純アルコール量”は以下のように計算できるそうです。
純アルコール量(g) = 酒量(ml) ×(度数/100)× 比重(0.8)
この式から“節度ある適度な飲酒量”を導き出すと、こうなります。
節度ある適度な飲酒量 = 2500 ÷ アルコール度数
これ覚えておくと、計算がラクですよね。
“2500”をアルコール度数で割るだけです。
たとえば、15度の日本酒の“節度ある適度な飲酒量”はこうなります。
2500 ÷ 15 = 約166.67ml
なんと、たったの167mlです。
「1日当たり日本酒1合(180ml)」でも、適度な飲酒量を少しオーバーしているのです。
純アルコール量20gが何mlに相当するのか、いろんなお酒で比べてみましょう。
お酒の種類 | アルコール度数 | 節度ある飲酒量 |
---|---|---|
日本酒 | 15% | 167ml |
ビール | 5% | 500ml |
ウィスキー | 43% | 58ml |
焼酎 | 35% | 71ml |
ワイン | 12% | 208ml |
これが、節度ある適度な飲酒量です。
どうです?少ないですよね?
ちなみに、海外諸国の中には飲酒の許容量を定めている国があります。
これも先述の「e-ヘルスネット」にわかりやすい表があるので、引用します。
国 | 基準飲酒量(g) | 1日許容量(g) | |
---|---|---|---|
男性 | 女性 | ||
オーストラリア | 10 | 40 | 20 |
オーストリア | 10 | 30 | 20 |
カナダ | 13.5 | 13.5 | 13.5 |
デンマーク | 12 | 36 | 27 |
ニュージーランド | 10 | 30 | 20 |
英国 | 8 | 24-32 | 16-24 |
米国 | 14 | 28 | 14 |
うちは、男女問わず「20g & 週2日休肝日」にするから。
カナダは、厳しいですね。
ちなみに、アル法ネットの資料では「男性:約40g、女性:約27g」になっています。
アル法ネット「世界の飲酒ガイドライン」(PDF)
表の“基準飲酒量”とは、日本でいうところの「20g」みたいなもの。
飲酒量を純アルコールに換算するときの“目安”として使われます。
表では各国バラバラですが、近年「1ドリンク(=10g)」という基準量が提案され使用されているそうです。
日本の飲酒ガイドラインによると、1日2ドリンク以下を心がけるとよさそうです。
つまり、純アルコールが10gになる量を1杯とし、2杯でやめておくということ!
厳しいなぁ・・・。
日本酒以外のお酒の“1ドリンク”の量
お酒をチャンポンする人もいますよね。
参考までに、他のお酒の“1ドリンク”がどれぐらいか載せておきますね。
酒の種類(基準%) | 1ドリンク量 |
---|---|
ビール・発泡酒(5%) | 250ml |
チュウハイ(7%) | 178ml |
焼酎(25%) | 50ml |
ウィスキー・ジンなど(40%) | 31ml |
ワイン(12%) | 104ml |
日本酒(15%) | 83ml |
先述のとおり、2ドリンクで純アルコール量が20gになります。
なので、日本酒をぐい呑みで1杯とワインをグラスで1杯。
そこらでやめておくのが、節度ある飲み方ということですね。
ちなみに、ザックリと飲酒量を管理するならKIRINのアプリが便利です。
カンタンに管理できるいいアプリですが、度数や酒量はザックリです。
「今日は日本酒をお猪口で1杯」レベルしか設定できません。
高度数の日本酒が好きな方は、ちょっと辛めに見ておく方が安全です。
上手に純アルコール量を管理して、飲み過ぎないようにチェックしたいですね。
飲み過ぎ以外の健康に悪い飲み方
厚生労働省のガイドラインや既存のエビデンスを踏まえて「健康を守るための12の飲酒ルール」というのが提案されています。
このルールを読むと、危ない飲み方がみえてきます。
ザッと挙げてみましょう。
- 1日平均2ドリンク以上飲み続ける
- 女性や高齢者が男性なみに飲む
- 赤くなりやすい人が適量以上飲む
- 大酒することがある
- お酒と一緒に食べ物を摂らない
- 寝酒する
- 週2日以上の休肝日を取らない
- 薬の治療中に飲酒する
- 入浴・運動・仕事前に飲む
- 妊娠・授乳中に飲む
- 依存症の人が飲む
- 定期健診を受診しない
どうでしょう?
けっこう、危ない飲み方しちゃってるのでは?
素直に、週2日はお茶にしよう・・・。
一番怖いのは、何が危ないか知らないことですよね。
まずは、自分の飲酒スタイルのどこに危険が潜んでいるのか知ることが肝心です。
お酒は少し飲む方がいい?Jカーブ効果とは?
さて、日本酒と健康について考えるうえで外せない言葉があります。
お酒好きの免罪符“Jカーブ効果”ですね。
- Jカーブ効果とは?
- 1993年6月にアメリカ保健科学協議会(ACSH)で発表されたレポートにもとづく考え方。
- 飲酒量と総死亡率には相関関係が有り「適度の飲酒は、死亡率を低下させる」とされている。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」にも、詳しく載ってます。
ご参考に、どうぞ。
ようするに「Jカーブ」は飲酒量と死亡率の相関グラフの形のこと。
こんな感じになります。
これ見たら「ほほう、やっぱり適量なら酒は百薬の長じゃないか」と思いますよね。
ところが、この「Jカーブ効果」にはいろいろ留意点があるようなのです。
- Jカーブが認められるのは一部の疾患のみ
- Jカーブが認められるのは先進国の中年男女
- 飲酒による暴力・虐待・事故などはJカーブにならない
- 飲酒ゼロの中には元々体が弱く飲めない人もふくまれる
- 「飲酒するから健康」ではなく「健康だから飲酒できる」?
まず、Jカーブが見られるのは一部の疾患のみであるということ。
高血圧や乳がんは、ほぼ直線。
肝硬変のリスクは、途中から急激に上昇します。
Jカーブを描く代表的な疾患は、虚血性心疾患・脳梗塞・2型糖尿病など。
またこのような疾患でも、Jカーブになるのは先進国の中年男女とされています。
つまり「健康管理できる経済力がある人だけでは?」という疑問があるということ。
そもそも、少量で飲酒をストップできる人は健康意識が高い人なのかも?
今のところ「お酒は、ちょっと飲む方が健康」と思いこまない方がよさそうですね。
お酒をまったく飲まない人なら、そのまま飲まない習慣を続けた方がいいようです。
まとめ
厚労省の飲酒ガイドラインでは「節度ある適度な飲酒は、1日平均純アルコールで20グラム程度」とされていて、日本酒で約1合に相当します。
また、女性や飲むと赤くなる人は、さらに控えるように推奨されています。
(未成年の飲酒や妊娠・授乳中の飲酒、飲酒運転は論外です!)
まずは、自分の健康のため。
そして、日本酒のイメージ向上につながるよう、節度ある飲酒を心がけたいところ。
「適度に日本酒を飲む人は、健康な人が多い」と言われようにしたいですね。
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