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女性は男性よりお酒に弱い?強いか弱いか診断する4つの方法

2018年2月14日

自分がお酒に強いのか弱いのか、知ってみたいと思ったことありませんか?
男より女の方がお酒に弱い」そうなので、とくに女性は気になりますよね。

ボクも夫婦で“日本酒の家呑み”を趣味にし始めてから、ずっと気になってました。

ダット
適量は1日1合っていうけど、個人差あるよなぁ?
夫婦、同じペースで飲んで大丈夫?

で、先日とある本を読んで「自分のお酒の強さ(弱さ)を知ろう」と決心しました。
いろいろやってみたので、情報を共有しておきますね。

ちょっと長くなりますが、よろしくお願いします。
では、さっそく。

女性は男性よりお酒に弱い?

乾杯

先日「酒好き医師が教える最高の飲み方」という本を読みました。
お酒に関する健康リスク健康効果について、とてもわかりやすく書かれていました。

しかも、専門家にリポートする形式で書かれているのでエビデンス力が高い。
酒飲みにとって、なかなか参考になる本です。

感想を書いてますので、興味がある方はどうぞ。

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飲む前に読め!「酒好き医師が教える最高の飲み方」の読書感想

ダットどうも、ダットです。 健康的にお酒飲んでますか? 先日「酒好き医師が教える最高の飲み方」という本を買いました。 オ ...

で、この本にはこう書かれていました。

体形にも個人差があるというのが大前提ですが、一般的に男性よりも体の小さい女性は肝臓が小さく、アルコールに弱い傾向が見られます。

国立病院機構久里浜医療センターの報告によると、1時間に代謝できるアルコールの量、つまりアルコールの代謝速度も、平均すると男性に比べて少ないという結果が出ています。

第5章「生理、妊娠、更年期…女性とアルコールの付き合い方」より

また、厚生労働省のe-ヘルスネットによると、日本をはじめ海外でも女性は男性の「75%~50%」程度の飲酒量にすることを推奨しています。

とは言え、あきらきに酒豪の女性もいますよね?

うちも、ボクよりニャコさんの方がお酒に強いような?
ニャコさんに「女性はお酒を控えるべし」なんて言ったらDDTされるような?

ニャコ
心配せんでいいよ!DDTは、しいひんから。
貯蔵日本酒没収にしといてあげる♥
ダット
・・・。

でも、まぁ、十把一絡げ(じっぱひとからげ)には言えないわけですよ。
こんなことも書いてありました。

もちろん、アルコールに対する耐性は、遺伝的要素によって決まる「アルコールの分解酵素の量」が大きく関係します。

~中略~

個人差がありますので、一概に「女性のほうが弱い」とは言い切れません。

第5章「生理、妊娠、更年期…女性とアルコールの付き合い方」より

そりゃあ、そうですよね。

性別だけで一概に言えない、と。
遺伝子によるアルコール耐性の影響も大きい、と。

だから、必ずしも「男性の方がいっぱい飲んでもいい」とはならないんですね。

うちのニャコさん飲むからね

「遺伝子とアルコールの関係」は、e-ヘルスネットにもこんな言及があります。

アルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かです。

特にアルコールを分解する酵素の遺伝子による違いが依存症のなりやすさに強く影響することが知られています。

e-ヘルスネット「アルコール依存症と遺伝」より

なんと、遺伝子はお酒の強さだけでなく“アルコール依存症”にも影響するんです。

やっぱり、男であろうともウカウカと大酒を飲んでられませんね。
自分が遺伝的にどうなのか、気になるところ。

先述の著書の中でも、成増厚生病院東京アルコール医療総合センターの垣渕氏が以下のようなコメントをされています。

遺伝子検査を受け、自分のタイプを知るのが一番です。自分では活性型と思っていても、実は不活性型だったりする可能性も大いにあります。

がんのリスクを回避するためにも初期投資だと思って、専門機関などできちんと検査されることをお勧めします。

第3章「顔が赤くなる人、ならない人は何が違う?」より

アルコールの分解能力は、遺伝子による個人差があるわけですけど。
この差は、飲酒によるがんリスクの高い低いにも影響するんですって。

そうなると、調べられるなら調べてみたくないですか?
遺伝子的にみた自分のアルコール耐性を、からだ壊す前に。

とは言え、専門機関に行くのは面倒だし予算的にどうなのか・・・。
安くカンタンに分かる方法は、ないんですかね?

お酒に強いか弱いか診断する4つの方法

問診

ということで、カンタンに自分のアルコール耐性を知る方法を探してみました。

ここから「お酒に強いか弱いか診断する方法」を4つ書いていきます。
ただし、エビデンス的に「?」なものもあります。

なので、信憑性のあるもの2つと「?」なもの2つに分けて書きますね。

パッチテストとアルコール感受性遺伝子検査

先に、信憑性が高そうなものから紹介します。
こんな方法があります。

お酒に強いか弱いか診断する方法、その1

  1. パッチテストをする
  2. アルコール感受性遺伝子検査をする

お酒の強さ(弱さ)を知りたいなら、まずこの2つでしょう。
自分の体や細胞を使ってテストや検査したら、正しい答えがわかりそうですよね。

二重らせん構造

もう少し詳しく説明します。

パッチテストとは?
消毒用エタノールを絆創膏に染み込ませ、上腕部内側に7分間貼る。
はがした直後と10分後に絆創膏が当たっていた部分を見て、アルコールの感受性を判断する。
アルコール感受性遺伝子検査とは?
専門機関に細胞を送り、遺伝子を解析してもらう。細胞は、頬の内側を綿棒でこするなどして採取する。
検査により、ADH1B(アルコール脱水素酵素)とALDH2(アルデヒド脱水素酵素)の活性レベルがわかる。

先述の著書によると、遺伝子的に下戸(げこ)の人でもパッチテストで赤くならない人がいるのだとか。

ニャコ
より正確に自分のアルコール感受性を知りたければ、遺伝子検査の方がいいってことやね。
ダット
そやね!

人系とTAST(東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト)

続いて、エビデンス的によくわからなかったほう。
2つ紹介しますね。

お酒に強いか弱いか診断する方法、その2

  1. 縄文系 or 弥生系
  2. TAST(東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト)

いきなりセンセーショナルですけど、あなたは縄文系?弥生系?

これは、国税庁のホームページに雑学的に載ってました。
弥生系より縄文系の方が、お酒に強いのだとか。

縄文系と弥生系の見分け方(あくまで目安)
縄文系は、眉毛が濃くて起伏が比較的大きい顔の人。歯が小さくて裏側が平ら。
弥生系は、眉毛が薄くて割りに起伏が少ない顔の人。歯が大きくて裏側がシャベル状。

縄文人と弥生人

興味がある方は、こちらをどうぞ。

続いて、TAST(東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト)。
これは、以前ツイッターで話題になっていたそうです。

こちらの方の“つぶやき”を貼っておきましょう。

名古屋学芸大学の資料では、TASTの結果について妥当な値であると書かれています。

上の資料では、パッチテストに関しても「有用」とあります。
いろいろ試してみると、自分の体質を把握するのに役立ちそうですね。

ただし、TASTはお酒を飲まない人には使えないという欠点があります。
飲んだときの症状でチェックするわけですからね。

私はお酒に強い?弱い?いろいろ診断やってみた

ということで、ボクが人柱になりましょう!
いろいろと、実際にテストや検査をやってみましたよ。

やったのは、この3つです。

  1. TAST
  2. パッチテスト
  3. アルコール感受性遺伝子検査

順番に、結果をレポートしますね。

TAST(東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト)をやってみた

では、最初にTAST(東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト)から。
集計の結果は、こんな感じです。

症状 いつも出る 時々出る 出ない 得点
顔が赤くなる -10.04 5.22 8.95 5.22
顔以外の部分が赤くなる -0.43 -2.98 1.20 1.20
かゆくなる 3.37 -3.89 0.38 0.38
めまいがする -0.58 -1.27 0.25 0.25
眠くなる 0.31 0.36 -1.03 -1.03
不安になる 0.00 -4.11 0.10 0.10
頭が痛くなる -0.79 0.07 0.01 0.07
頭の中が打つように感じる 0.83 0.62 -0.24 -0.24
汗をかく -3.25 1.43 -0.44 -0.44
心臓がドキドキする -1.88 0.04 0.26 0.26
吐き気がする -10.07 0.19 0.03 0.03
寒気がする 8.15 -2.42 0.14 0.14
息苦しくなる -4.34 2.69 -0.19 -0.19
合計 5.75

結果は「+5.75」でした。
プラスなので、TAST的には「お酒に強い」ということになります。

パッチテストをやってみた

続いて、パッチテスト。
ドラッグストアでエタノールと絆創膏を買ってきました。

消毒用エタノールと絆創膏

絆創膏のガーゼみたいなところにエタノールをふくませて、上腕部の内側に7分間貼り付けます。

上腕部内側に貼る

7分経ったらはがして、5秒以内に貼ってたところの皮膚の色をチェック。

7分後

とくに変化なし。

さらに10分待ってから、もう一度チッェク。

10分後

ボクは、ほとんど変化ないですね。

「少し、赤くなった気もする・・・かな?」という感じ。
写真で見ても、わかんないですね。

いちおう、基準は以下のとおり。

パッチテストによるALDH2の活性タイプ
・剥がした直後から赤い⇒非活性型
・10分後に赤くなってる⇒低活性型
・まったく赤くならない⇒活性型

“ALDH2”の詳しい説明は、後述します。
これが活発であるほど、アセトアルデヒドの分解能力が高いそうです。

ということで、パッチテストでもお酒に強そうな結果です。

アルコール感受性遺伝子検査をやってみた

さいごに、アルコール感受性遺伝子検査。

使ったのは、ハーセリーズという会社が販売している検査キットです。

ちなみに、価格は「キット+検査費」で5,278円(税別)でした。
むむ、純米大吟醸換算で2本分ぐらいか・・・。

ダット
孫子も「彼を知り己を知れば百戦殆からず」って言ってますからね。
初期投資、初期投資。(白目)
アルコール感受性遺伝子検査キット

注文後、キットが到着したら申込用紙に必要事項を記入します。

あとは、付属の綿棒で頬の内側をゴシゴシして送り返すだけ。

アルコール感受性遺伝子検査キットの綿棒

検体は、広島にあるEBSという検査会社に送られます。

会社概要を見ると「ISO27001認定」となってるので、まぁ安全な会社なのかなぁと。

ISO27001とは?
情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用し、継続的に改善するための規格です。
引用:帝国データバンク

で、先方に検体が到着してから10日ぐらいで結果がわかりました。
Webで見られるので、便利です。

では、お見せしましょう。
ボクの“アルコール感受性遺伝子検査”の結果です!

アルコール感受性遺伝子検査の結果

「飲んだらダメな人」ではなさそう。

とは言え、たびたび登場しているADH1BALDH2の意味がいまひとつ。
これがなんなのか、知る必要がありそうです。

ということで、調べてみました。

お酒の強い弱いを決める酵素ADH1BとALDH2とは?

さて、ADH1BALDH2は、そもそもどんな働きをしているのでしょうか?

お酒を飲むと、アルコールは胃で20%、小腸以降で80%が吸収されます。
そのあと血液に溶け込んで、数分で全身に行きわたるのだとか。

吸収後のアルコールは、まず肝臓でADH1Bの作用によりアセトアルデヒドに分解されます。
で、そのアセトアルデヒドはALDH2の作用で酢酸に分解(代謝)されるんですね。

アルコールの分解図

ご存じのとおり、アルコールとアセトアルデヒドは人体に有害。
2つの酵素は、アルコールやアセトアルデヒドを無害な酢酸に変えているんです。

ちなみに、アルコールの分解が遅い人はアルコール依存症になりやすいそうです。

それから、アセトアルデヒドはフラッシャーの原因とも言われてますよね。

フラッシャーとは?
「顔が赤くなる、血圧上昇、冷や汗、動悸」などの複合症状のこと。

でもって、二日酔いの原因も「アセトアルデヒドが一因ではないか?」と言われてます。
このへんは、まだ解明されていないようですが・・・。

さらに、アルコールもアセトアルデヒドも発ガン性があることがわかってます。

アルコールとアセトアルデヒドには発癌(がん)性があり、このふたつの酵素の働きが弱い人が飲酒家になると口腔・咽頭・食道の発癌リスクが特に高くなります。

e-ヘルスネット「アルコールと癌」より

いろいろ書きましたけど、大事なことなのでもう一度。
要するに「アルコールとアセトアルデヒドは人体に有害」ということ。

ADH1BもALDH2も、両方とも活性が低い人は体内にアルコール&アセトアルデヒドが長時間い続けます。

なので、健康リスクが高くなるんですね。

ADH1Bが高活性でALDH2が低活性

逆に、ADH1BもALDH2も高活性の人は、健康リスクが比較的低いと。
このタイプ、EBSによると日本人では30.8%の人が該当するそうです。

ADH1Bが低活性でALDH2が高活性

ニャコ
「我こそは酒豪なり!」という方。一回、遺伝子検査してみたら?
じつはそうでもないのに大量飲酒してると、体壊すで。
ダット
とくに、若い人。若さに任せて、大量飲酒は危険ですよ。
壊れた体で老後を過ごすのは、なかなかハードかも。

ちなみに、久里浜医療センターのホームページにも以下のように書かれていました。

飲酒者ではALDH2欠損型とADH1B低活性型の組み合わせで相乗的に食道や頭頸部の発癌リスクが高まります。

長時間高濃度でアルコールとアセトアルデヒドに食道・頭頸部が暴露されるためです。

この遺伝子型の組み合わせで飲酒家で喫煙家だと、いずれもない人の357倍の食道癌リスクと報告されています。

「飲酒+喫煙」は、すごいリスク高いみたいですね。

まとめ

アルコールは、ADH1Bという酵素の働きでアセトアルデヒドに。
アセトアルデヒドは、ALDH2という酵素の働きで酢酸に分解されます。

人体にとって、アルコールもアセトアルデヒドも有害。
できるだけ、さっさと分解してしまいたいところなんですけど・・・。

「ADH1B」と「ALDH2」の分解能力は遺伝子で決まっていて、人によって強弱があります。
だから、お酒に強い人と弱い人が出てくるのです。

ダット
分解能力をかえりみない飲み方は、健康リスクが高くなるので控えたいですね。
ニャコ
周りの人も、女性やフラッシャーを起こす人に「飲め!飲め!」と煽ったらアカンで。

いくつかアルコール感受性テストをやってみたけど、やっぱり遺伝子検査がいいですね。
TASTやパッチテストだと、本当にあってるのか少し不安が残りました。

今回使った検査キットは自宅で検査 & WEBで結果確認でき、お金も時間もエコでした。
お酒に強いか弱いか知りたいけど、病院行くのはちょっと」という人にイチオシです。

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