健康的にお酒飲んでますか?
先日「酒好き医師が教える最高の飲み方」という本を買いました。
オモシロかったので、感想を書いてみます。
この本は、日経グッディ連載の「左党の一分」がもとになってるそうです。
ただし、大幅に加筆修正してあるので既読の方でも楽しめるのではないでしょうか。
「左党の一分」を未読の人、かつお酒と健康の両方に興味がある人には間違いなく良書だと思います。
とくに、こんなふうに思ってる人には役立つ内容です。
- 飲酒と病気との関連が知りたい
- お酒の健康効果を知りたい
- 体への負担が小さい飲み方を知りたい
もし上の3つにピンときたら、続けてボクの感想を読んでみてくださいね。
では、さっそく。
「酒好き医師が教える最高の飲み方」ってどんな本?
さっそくですが、あなたはお酒が好きですか?
好きなら、こんなの聞いたことありませんか?
- 飲む前にウコンを飲め
- 飲む前に牛乳で胃に幕を張れ
- 空腹でいきなり酒を飲んではいけない
- お酒と同量の水を飲め
- 適量のお酒は健康にいい
- 蒸留酒は太りにくい
- 飲み過ぎると酒ヤケ声になる
- 顔色が赤くなる人は酒に弱い
- 鍛えれば酒に強くなる
- 日本酒は肌に良い
酒と健康にまつわる慣用句って、いっぱいありますよね。
でも「それって、どれぐらい正しいの?」って内心思ってませんか?
きっと、エビデンスとか知らずに使ってることが多いですよね。
たとえば、関西でよくありがちな会話だと・・・。
みたいな。笑
そんな「酒飲みがなんとなく信じてること」を、酒ジャーナリストの葉石かおりさんが専門家に取材してまとめたのがこの本です。
「葉石かおりさんって、だれ?」という方は、公式ブログをごらんください。
正しいものもあれば、一部の人にとっては危険な思い込みもあります。
飲む前にコンビニでウコンを買う人、いませんか?
飲酒の30分前にウコンに含まれるクルクミンを飲んだ人は、アセトアルデヒトの血中濃度上昇が抑えられたそうです。
ウコンは飲み会前に常飲してる人が多そうですが、弊害もあるとか。
とくに脂肪肝やアルコール常飲者は、薬物性肝障害になる危険があるので注意とのこと。
本によると「肝臓専門医の間で、ウコンに気をつけたほうがいいという認識が定着」してるそうですよ。
鉄は、一部の肝臓が悪い方に悪影響を及ぼすそうです。
不安だったら、医師に相談やね。
この本の取材に協力した専門家は、巻末のリストによると総勢25名。
専門家の回答は最新の研究に基づくので、エビデンス力が高いです。
お酒が好きな専門家さんばかりですが、回答は客観的です。
お酒の良いところも悪いところも、偏見なく紹介されてる本ですね。
あなたが「良い飲み方をしたい」と思うなら「家庭の医学」なみに役立つ内容ですよ。
飲酒には健康効果もある
お酒は体に悪いんだろうな・・・と思っている方。朗報です。
この本は、お酒を悪者にする本ではありません。
じつは、お酒には体に良い影響を与える可能性もあるのです。
これは、ぜひ知っておきたいですよね!
この本に挙がっているものを、いくつかピックアップしてみましょう。
- 日本酒は一部の生活習慣病を予防してくれる
- 日本酒から発見されたペプチドは学習・記憶能力を改善させる
- 清酒中のグルコサミンは抗がん性を示すNK細胞を活性化する
- 純米酒はアミノ酸を多く含み「美肌の素」と言える
なんと、お肌にはダンゼン純米酒がいいとな・・・。
しかも、純米大吟醸より純米酒がいいとな・・・。
・・・おっと、日本酒の健康効果ばっかり挙げてしまいました。
日本酒ファンによる、情報操作でした。笑
日本酒以外の「体に良い影響を与える可能性」も、ちゃんと載ってましたよ。
たとえば・・・。
- 適量飲酒は一部の血管系疾患リスクを下げる
- 芋焼酎や泡盛は血栓の溶解効果が期待できる
- ビールはアルツハイマー病の予防が期待できる
- 熟成赤ワインには抗酸化作用がある
- 赤ワインには記憶力回復や認知症予防効果がある
赤ワインのポリフェノール、やっぱりすごいですよ。
フランス人は喫煙率が高く、動物性脂肪の摂取量が多いそうです。
なのに、心疾患の死亡率が引くい。
これを「フレンチパラドックス」と言うのだとか。
ポリフェノールが多くて、抗酸化作用が高いねんて!
「酒は百薬の長」とか「Jカーブ」とか。
お酒の健康効果を表す言葉は、このへんから来ているんですね。
この「お酒の良い効果」を受けるには「適量を守ることが大事」と釘刺してありました。
飲み過ぎると、悪影響しかありません。
節度ある飲酒を心がけ、長く健康でお酒を楽しみたいものです。
「2500÷15=約166」で166mlやね!
以前「節度ある日本酒の飲酒量」についてこんな記事を書きました。
興味ある方は、参考にどうぞ。
-
健康に悪い飲み方してない?節度ある日本酒の飲酒量は〇合まで
日本酒の適量って、どれぐらいか知ってますか? ボクは、日本酒の適量を知らずに飲んでました。 調べてみて、ちょっとビックリ ...
基本的にお酒は健康のリスクになる
さて、お酒の良いところばかりピックアップしましたが。
圧倒的にたくさん書かれていたのは「健康リスク」の方でした。
やっぱり、基本的に「お酒は毒」なんですね。
残念ですが、この現実を直視しつつ今日も晩酌しないといけません。
タイトルにも「最高の飲み方」て書いてあるし。
では、お酒のリスクも挙げてみますね。
白目むかないでくださいね。
- 酒を頻繁に飲むと脳が委縮する
- 大量飲酒は認知症リスクを上げる
- 大量飲酒はうつ病リスクを上げる
- アルコールは脂肪肝につながる
- 飲酒量が増えるとガン発症リスクが上がる
いきなり、センセーショナルなものが並びましたね。
大丈夫ですか?
もうちょっと、いきますよ?
- 飲酒は糖尿病リスクを上げる
- 「喫煙+飲酒」で発ガンリスクが著しく上がる
- 高血圧や脳出血は少量飲酒でもリスクアップ
- 飲酒による肝硬変のリスクは指数関数的に上がる
- 飲酒で赤面する人は食道がんリスクが高い
瞳孔開いてますけど、大丈夫ですか?
まだまだ、行きますよ。
読み飛ばしちゃ、ダメですよ。笑
- 飛行機内の飲酒はエコノミークラス症候群の一因になる
- 日本人は欧米人より飲酒による大腸がんリスクが高い
- 膵炎(すいえん)の主たる原因はアルコール
- アルコールは乳ガンの発症リスクを高める
- 大量飲酒が続くとメタボになりやすくなる
なんか、気持ち悪くなってきました。
次で終わりにしますね。
- アルコールは覚醒効果があり睡眠の質を落とす
- 妊娠中の飲酒は胎児の脳にダメージを与える
- アルコールは薬の作用・副作用を増強させることがある
- アルコール摂取が多い人ほど歯周病罹患率が高い
- 飲酒して入浴するとヒートショックを招きやすい
- アルコール依存症の人は離婚率が高い
むむ・・・よくぞ今日まで生きてこられたって感じです。
本には、他にもいろいろ載ってますからね。
まぁ、これだけリスクがあっても飲まずにいられないのが左党です。
じゃあ、どうすればいいのか?
この本の監修者である肝臓専門医・浅部先生は以下のようにおっしゃってます。
我々の生活は多くのリスクとともにある。あらゆるリスクを排除して少しでも長生きしたい、という“ゼロリスク主義者”には、飲酒は勧められない。しかし、多くの人は、一定のリスクを取りながら、楽しみを見つけて生活している。大切なのは大きすぎるリスクを避けることである。
この本は、「お酒」という健康リスクを選び、その楽しみを享受したい人にとっては、「どの程度のリスクなら許容できるのか」を考える参考になるのではないだろうか。
「監修者あとがき」より(太字は筆者による)
先生の言葉、ボクは以下のように解釈しました。
なるほど
そして、できるだけ体への負担が小さい飲み方をしよう!
ただし、これを実践しようと思うとお酒のリスクを正しく知る必要があります。
思い込みとか、出典不明のネット情報を鵜呑みにしてはいけないのです。
そういう意味でも、エビデンス力が高いこの本は役立つと思いました。
まとめ
「酒好き医師が教える最高の飲み方」は、お酒と健康に関する情報が盛りだくさんの本です。
お酒の健康リスクや健康効果について、専門家が最新研究にもとづき回答しています。
酒飲みとしては、一度しっかり理解しておきたいことばかりでした。
本では、体への負担が少ない飲み方も提案されています。
この本で勉強できた「最高の飲み方」を実践していきたいと思いました。
お酒の健康効果は青マーク。リスクは赤マーク、みたいな感じでマーカー引いておくと便利です。
興味がある方は、以下で購入できますよ。
オススメの関連記事はこちら