京都・滋賀、幸せの日本酒ブログ

美味しいご飯と日本酒と、時々、オツマミ

「平安日本酒フェスティバル 2018」に行ったら泣いてた

2018年9月25日

9月2日に、平安神宮の南にある岡崎公園まで行ってきました。
目的は、平安日本酒フェスティバルです。

いろいろあって、取り乱してしまいまして・・・。
レポと併せて、その理由も書こうと思います。

気持ちの良い話ではないし「何でもネタにするな!あざとい!」と感じる人もいるかも。
なので、勝手ですが、読みたいところだけ読んでもらえたらと思います。

では、さっそく。

平安日本酒フェスティバル前半戦

じつは、わけあって久しぶりに日本酒イベントに参加しました。
その理由は、後述します。

前日まで荒れ気味だった天気も、イベント当日は朝から快晴。
だけど、落ち着かない気持ちで岡崎公園に向かいました。

岡崎公園

ちょっと緊張してたので、気持ちをほぐそうと飲みなれた銘柄から。
まずは伏見、齊藤酒造さんの“英勲 秋上り 吟醸酒”をいただきました。

去年の同銘柄より、味のりしてて濃醇に感じます。
おいしい・・・こわばった体が、ほぐれていくような感覚。

英勲のブース
英勲 秋上がり

お隣に大信州酒造さんや朝日酒造さんのテントが。
香る久保田 純米大吟醸”からいただきました。

優しいフローラルな香りで、フルーティな甘味主体。
極力、酸味や苦味は控えて、優しい甘さで押してくる。

甘味・酸味・苦味・旨味の混ざり方が個性的だなぁ、と感じました。
美味しいです。

香る久保田

久保田 生原酒”も、ロックで。(こういうイベントでロックの準備してるの、すごい)
甘味シッカリなんだけど、低温で抑えこみキリッとうまかったです。

久保田は日本酒にハマってない人でも、買う機会があるんじゃないかと思います。
それぐらい「日本酒といえば」な銘柄ですよね。

ボクも例外ではなく「昔は、お世話になりました」感があって懐かしうまかったです。

久保田 生原酒

大信州 純米吟醸 NACひとごごち”もいただきました。

旨酸味日本酒。フルーティな甘味が混ざり、フンワリ美味しい。
苦味が下支えしてて、ダレもない。おいしいです。

大信州

つづけて“豊穣の香月 槽場直汲み生原酒”もいただきました。
微発泡で、軽やかな口当たりですね。

豊穣の香月

お次は、多治米(たじめ)さんの“竹泉(ちくせん)”に行ったんですけど。
恥ずかしながら社名が読めなくて「なんて読むんですか?」って聞いたんです。

そしたら「『たじめ』です。どうも、たじめまして!」ですって。
一気に気持ちがほぐれました。笑

雄町どんとこい、2銘柄いただいたけど・・・甘い!だけどダレない。
フルーティで濃厚な甘味を、酸味と苦味で下支えしてる感じですね。

竹泉 雄町

次は、今田酒造本店さんの“海風土(シーフード)”を。
おもしろいネーミングとラベルです。

白麹で造ってるそうなんですけど、これは軽やかでうまかった!
(日本酒は黄麹が多く、白麹は主に焼酎で使う)

白麹はクエン酸を出すんですけど、海風土も酸味主体できれいにまとまってます。
甘い白ワイン、みたいな感じ。

海風土

富久長 純米吟醸 八反草”もいただきました。

シーフードと打って変わって重い。シッカリ、パワフル。
やはり甘味主体で酸味や苦味が下支えしていて、爽やかさもありますね。

富久長 純米吟醸八反草

ここらでチョット休憩ということで、だし巻きを買い芝生へ。

ダシ巻き卵草

今から思えば、けっこう飲んでますね。
感情が増幅してても、不思議じゃないんですけど・・・。

とつぜん亡き義父のことを思い出し、涙が。

日本酒が好きになったキッカケ

不謹慎かもしれないけど、ちょっと書かせてください。

じつは、7月初旬に祖母を。下旬に義父を亡くしました。
で、しばらく楽しみ事は慎んでたんですけど・・・。

ダット
義父は、とても日本酒が好きな人でした。
それで、弔う気持ちで平安日本酒フェスティバルへ行くことにしました。

義父が初めて日本酒の美味しさを知ったのは、大津プリンスのディナーだったそうです。
ニャコさんが初任給でご馳走したときに“近江米のしずく”を飲んで感動したんだとか。

北島酒造さんの純米吟醸酒で、辛口ずっしりタイプのお酒ですね。

ニャコ
それまで安い日本酒しか飲んだことなっかったから、ビックリしてたわ。
「日本酒って、こんなに美味しいのか!」って言うてた。

その数年後、ボクとニャコさんが結婚することになるんですけど。
ボクが知る限り、義父はほとんど日本酒を飲んでなかったんですよね。

理由は2つ。
自分のことは節約する人だったのと、すごく優しい人だったから。

ダット
日ごろは安いビールで晩酌し、ボクたちが帰省するときはボクたちが好きなワインを準備してくれてたんですよね。
ニャコ
あの頃は、わたしら日本酒のこと何にも知らず。
ワインばっかり飲んでたよね。
ダット
誕生日なんかに日本酒を贈ると、大喜びしてくれたのを思い出すな。

そんな義父が、昨年の3月に余命1年を宣告されたんです。

ボクとニャコさんは6月の父の日に贈るため、日本酒のことをいろいろ調べ始めました。
残された時間、父に美味しい日本酒を飲んで欲しいと思ったんですけど、遅すぎですよね。

それから義父が最後に入院するまで、帰省するたびに日本酒を買って帰りました。
とくに美冨久酒造さんの“百年の煌”は「おいしい、おいしい」と喜んでくれました。

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それから、最後に飲んだ“勝駒 純米吟醸”も「これは、うまい!」って・・・。

技術者だった義父は、折り目正しい味わいのお酒が好きだったように思います。
お酒の出来から蔵人さんの仕事を想い、共感してたのかもしれないですね。

勝駒 純米吟醸

我慢強かった義父は、新しい治療も試しながら余命宣告から1年4ヶ月頑張りました。
看病していた義母は相当苦労したかもですが、子供の前では弱音ひとつ言いませんでした。

しかし義父の闘病と義母の看病の甲斐なく、ついにその日はやって来たのです。
意識朦朧としながらも、義父は最期に聞き取れない声で短い何かを娘に伝え旅立ちました。

今でもみんなで「あれ、なんて言ったんやろ?」って話してます。
ボクは、義母と娘に「ありがとう」と言ったんじゃないかと思ってます。

ダット
なので、義父にも、看病に尽力した義母にも、そしてかけがえのない時間をくれた日本酒にも「お疲れさまでした」と言いたい。
ニャコ
それと、あんたのことメチャクチャかわいがってくれたお婆ちゃんにもな!
ダット
・・・(T^T)

もう、日本酒を、義父と一緒に飲むことはできません。
なので、ボクとニャコさんにとって“日本酒”には特別な価値が宿った気がします。

これが、ボクが日本酒を好きになったキッカケです。

去年の6月まで日本酒のこと何も知らなかったけど、今ではボクも魅了されてます。
今もこの記事を書きながら、義父と過ごした10年間を思い返し10年熟成酒を飲んでます。

10年古酒

うまい。
また、義父が降りてきそう。

平安日本酒フェスティバル後半戦

話を、平安日本酒フェスティバルに戻しますね。

前半は「日本酒、やっぱりおいしいなぁ」で過ごせたんですけど。
後半は、義父も参加しちゃったようです。

滋賀県東近江市にある喜多酒造さんの“喜楽長 ひやおろし”から再開。
爽やかで、あでやかな酸味。甘味を思いっきり引き立てますよね。

喜楽長

さらに、滋賀県甲賀市にある美冨久酒造さんへ。
三連星 赤 渡船6号”と“三連星 黒 火入れ ひやおろし”をいただきました。

きれいな甘味で、めちゃくちゃ飲みやすい。

三連星

この2銘柄で、涙腺崩壊しました。
もう、義父と飲んだ滋賀酒の想い出が次から次へと出てきて・・・。

ここから先は錯乱ツイートを連発してしまい、見返すとひどいことに。

そしたら、それを見てたフォロワーさんが声かけてくださったんです。

そして、滋賀県高島市にある吉田酒造さんの“竹生嶋 15年熟成酒”をご馳走してくださったり。
吉田さんオススメのマーボー豆腐も買ってきて、一緒に飲んでくださったり。

そのマーボー豆腐を知らない人に引っかけてしまい、一緒に謝ってくださったり。
そしたら、その知らない人も「事故だから、いいよ」って許してくださり。

ダット
この場を借りて、お礼を言いたいです。ありがとうございました。
日本酒好き、みんな良い人。

秒速で応援メッセージや「いいね」くださった方々にも、本当に感謝してます。
温かいコメントばかりで、すごく気が和らぎました。

けっきょく、レポできるような飲み方は前半しかできなかったけど。
行ってよかったな、と思ってます。

最近、子供たちが夜空の星にむかって「じぃじー!!」と呼ぶようになりました。
ちょっと安易な説明をしすぎたかも。

一番星

平安日本酒フェスティバルとは?

ちゃんと、イベントの説明もしとかなきゃですよね。

平安日本酒フェスティバルは、日本酒とオツマミが楽しめる野外イベントです。
平安神宮の大鳥居のすぐそば、岡崎公園で開催されました。

徒歩1~2分のところにバス停があるし、地下鉄東山駅からも歩いてこられます。

門川市長のブログを見る限り、2016年に初開催され今年で3回目のようです。
まだまだ草創期の、勢いあるイベントですね。

参加酒蔵数は「20蔵 → 24蔵 → 24蔵」とメンバー変わりつつも一定の規模。
開催日が第1回が7月31日だったんですけど、2回目が9月3日、3回目が9月2日となりました。

たぶん、7月末は暑すぎたんでしょう。
今回は暑すぎず過ごしやすい天気だったので、9月開催が正解ですね。

平安日本酒フェスティバル会場

平安日本酒フェスティバルの主催は「京都 Sake Project」さん。
うまいもんやいっしょう」と「日本酒BARあさくら」の店主さんが結成されたそうです。

こんな規模のイベントを開催しちゃうなんて、かっこいいですね。

今回参加されてた酒蔵さんを紹介しておきましょう。
出品銘柄と所在地も載せておきますね。

2018年の参加蔵

  • 曙酒造(天明 / 福島)
  • 鈴木酒造店(磐城壽 / 福島、山形)
  • 朝日酒造(久保田 / 新潟)
  • 青木酒造(鶴齢 / 新潟)
  • 町田酒造店(町田酒造 / 群馬)
  • 永井酒造(水芭蕉 / 群馬)
  • 泉橋酒造(いづみ橋 / 神奈川)
  • 黒澤酒造(黒澤 / 長野)
  • 大信州酒造(大信州 / 長野)
  • 大塚酒造(竹雀 / 岐阜)
  • 吉田酒造(竹生嶋 / 滋賀)
  • 喜多酒造(喜楽長 / 滋賀)
  • 美冨久酒造(三連星 / 滋賀)
  • 向井酒造(京の春 / 京都)
  • 白杉酒造(白木久 / 京都)
  • 松井酒造(神蔵 / 京都)
  • 北川本家(富翁 / 京都)
  • 齊藤酒造(英勲 / 京都)
  • 増田徳兵衛商店(月の桂 / 京都)
  • 山陽盃酒造(播州一献 / 兵庫)
  • 田治米(竹泉 / 兵庫)
  • 森喜酒造場(るみ子の酒 / 三重)
  • 今田酒造本店(富久長 / 広島)
  • 玉櫻酒造(玉櫻 / 島根)

注目したいのは、グルメ料理の数々。
京都のお店が20店舗も出店されてるんです。

さわやかな晩夏の屋外で日本酒とグルメが堪能できるなんて、最高じゃないですか?
日本酒好きには、そこらのビアガーデンより良かったりして。

グルメブースのお店と料理も紹介しておきましょう。
(料理名は、当日いただいた冊子を引用してます)

2018年の参加グルメ店

  • うまいもんやいっしょう(ちりめん山椒DE焼和そば)
  • 日本酒BARあさくら(古酒いろいろ、燗酒コーナー、スモークナッツ)
  • おばんざいと鶏京は菜(鶏ももの炭火焼き、手羽中のタレ焼き)
  • 株式会社いなせや(米麹漬け鶏もも肉の串焼き)
  • 京のむすびめ(A5ランク山形牛スジの炊いたん、ちりめんじゃこ)
  • Ken蔵(八つ橋アイス)
  • さかぶくろ(ゲソ串焼き)
  • 咲たこ(京風たこ焼き)
  • 酒・肴 タナゴコロ(鱧しぐれ山椒煮、湯葉餃子、豚竹の子煮)
  • 東洞院SOU(鉄板だし巻き、クリスピーフライドチキン、からすみ)
  • 蕎麦と肴 周知(海老出汁麻婆豆腐)
  • パエリアレストラン Baracca(パエリア、アヒージョ)
  • Poquito(ガスパチョ、トルティージャ、亀岡牛とフォアグラのステーキ)
  • 焼肉天照杉(よだれ鶏 ピリ辛ヤンニョン)
  • 夢処漁師めし雑魚や(マグロほほ肉バーガー)
  • 吉田さかみち(牛スジ煮込みポン酢がけ)
  • レストラン ブラン・ピエール(トリュフ焼きそば)
  • 薄伽梵ハヂメ(鶏ミンチの梵カレー、揚げ肉餃子)
  • 益や酒店(せせり塩だれ焼き、ほんじりの塩焼き)
  • 酒・肴・蕎麦 kabe家(亀岡牛と京野菜の炭火焼き、塩麹サーモンのホイル焼き)

いやほんと「気心知れた人と飲んで食って」したら、すんごい楽しいと思います。
子連れもイッパイいました。すぐ近くに動物園があるから、ハシゴでしょうか。

ちなみに予約も、申し込みも、入場料も不要。
だれでも会場に入ることができ、料理は各ブースで自由に買えます。

日本酒を飲む人は、専用の60mlグラスを買う必要があります。
グラス代は前売りが500円、当日が800円。引換券を買って、受付でもらいます。

受付

日本酒はチケット制(1枚300円)で、10枚つづりとかじゃなく、好きな枚数買えます。
日本酒は、どの銘柄も1チケットで飲めました。

60mlグラスだから、3杯飲んだら1合の計算で買えばいいんじゃないでしょうか。

ダット
ボクは平常でいられるのが2合なので、6枚でやめときゃよかったんですね。
15枚ほど(以下略)

ちなみに、無料のウォーターサーバーがあるけど混雑します。
平安神宮や岡崎公園ではあまり自販機を見かけないので、水は準備しておく方が安心。

ウォーターサーバー

あと和装特典があって、着物で来場すると日本酒チケットを1枚もらえます。
着物や浴衣の方、何人かおられましたよ。

来年は、家族みんなで浴衣着て行こうかなぁ。

まとめ

平安日本酒フェスティバルに行ってきました。
快晴の屋外でたくさんの日本酒とグルメが堪能できる、すばらしいイベントでした。

途中で取り乱してしまい、食べたかったご馳走にありつけなかったのが心残りです。
来年こそは、ビアガーデン気分で満喫したいと思います。

とりあえず健康に気を付けながら、これからも日本酒を楽しもうと思います。
そして、日本酒ブロガーO3さんからいただいたコメントを実践してければなぁ、と。

以下、このイベントの概要です。

イベント名称 平安日本酒フェスティバル2018
場所 岡崎公園(京都市左京区岡崎最勝寺町)
参加費 グラス代:前売500円、当日800円
(日本酒を飲む方はグラスを購入する)
最寄駅 京都市営地下鉄「東山駅」から900m
開催時間 10時~17時
予算 グラス代+3,000円(税込)/1人

平安日本酒フェスティバルの最新情報はこちら。

京都 Sake Project公式ブログ

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