家飲みログ、58~59本目。
月桂冠さんの“生酒”を2本飲み比べしました。
月桂冠サポーター用のいただきものです。
この2本はスパーでも売ってて、しかも常温棚に並んでるんですよね。
その実力や、いかに。
ではさっそく、レビューしていきますね。
常温棚にならんでる!?「月桂冠 生酒」飲み比べ
2018年度の月桂冠サポーターに選ばれたので、いくつかお試し品をいただきました。
今回の生酒2本も、お試し用です。
- 月桂冠 純米大吟醸 生酒
- 月桂冠 生酒 辛口
京都市内の酒屋やスーパーで、比較的よく目にする商品です。
おもしろいことに、常温棚に並んでるんですよね。
月桂冠さんの「生酒」は、けっこう良い印象があるんですよね。
これは買ったことがなかったので、良いものをいただきました。
どんなもんか楽しみです。
さっそく、飲んでみましょう。
味わいも、華やかで優しい甘味。他にも、いろんな味がして複雑。
味わいも、キリッと爽やか。酸味と甘味がいいね。
純米大吟醸は穀物的な複雑味やけど、辛口はシャープ。
純米大吟醸はマッタリ酸味やけど、辛口はレモンみたいな爽やかな酸味。
“純米大吟醸”は素材を活かした和洋食、鶏の塩焼きなんかで合わせたくなります。
“辛口”の方は油を切りたい肉料理、トンテキやカツなんかよさそう。
どっちも、冷やして飲む方が美味しいです。
常温以上は、あんまりおもしろくない味わいですね。
おもしろいのが、50:50のブレンド。
お互いの違いをうまく取り込み、バランスがよくなる感じです。
写真をクリックすると見られます。
“純米大吟醸 生酒”の感想はこちら。↓
“生酒 辛口”の感想はこちら。↓
では、ペアリングいってみましょう。
「月桂冠 生酒」でペアリング
月桂冠さんの生酒は風味こそ豊ですけど、味わいはオトナシイです。
濃い味の料理よりは薄味の料理が合うのでは?という予想。
グラスはスリムな半合グラスか、ワイングラスが合いそう。
ベタな和食より、洋食か和洋折衷料理が良さげです。
まずは、こういうときの定番。和風きのこパスタから。
エリンギ&ベーコン&玉ねぎ入りで、旨味も風味もバッチリ合います。
いや、ホントに和風キノコパスタは日本酒に合いますよね。
今回の2本なら「生酒 辛口」の方が少し相性いいかな?
この旨味は肉や鰹節の旨味(イノシン酸)やキノコ類の旨味(グアニル酸)と高相性。
和風キノコパスタと日本酒は、そりゃあもう合わざるを得ないわけで。
( #゚Д゚)=○)`Д゚).・;’∴アベシッ!!
↑動くテキスト、使ってみたかっただけ。
さて、ウンチクは強制終了させられたので生ハムの写真でもどうぞ。
トマト、添えときますね。
旨味の相乗効果なら、かた焼きそばとか八宝菜もいいんですよね。
日本酒に合わせるなら、かた焼きそばの方が和風きのこパスタよりさらにいいかも。
パリパリした麺が、炭水化物感無くていいです。
和食にすると、どうなるか。
ブリの照り焼きと炊き込みご飯、大根のたらこソースがけ、春雨サラダでいってみます。
ベタな和食、悪くない。
ぜんぜん、大丈夫でした。(^^;
とくに、純米大吟醸の方の生酒がいい感じ。
それじゃあ、ということで。
チリコンカンも合わせてみました。
ほへ、味の濃い料理もまぁまぁいけてしまう・・・。
日本酒負け感はあるけど、合うちゃあ合う。
月桂冠さんのお酒、さすがの万能っぷりですね。
いやぁ、今回も美味しい楽しい飲み比べができました。
しいて総括するなら「生酒 辛口」は洋食。「純米大吟醸 生酒」は和食がいいかも。
ただ「伝匠 月桂冠 生原酒」なんかと比べると、美味しい温度帯が狭いです。
常温以上は、あんまりおもしろくない味わい。
値段が違い過ぎるし、比べるのも酷な話か・・・。
それにしても、月桂冠さんの上撰クラスと生酒はけっこう好みっす。
月桂冠の生酒は、なぜ常温保存できるのか?
とつぜんですけど、6月25日が「生酒の日」って知ってました?
じつは、この記念日を協会に登録申請したのが月桂冠さんなんです。
でも、なんで月桂冠さんが?
月桂冠さんでは、早くから生酒の商品化や流通拡大に取り組んできたそうです。
その結果、日本酒で初めて常温流通可能な生酒を発売できたんだとか。
月桂冠生酒の歩み
- 1981年 生酒をチルド流通で地域・業態限定で発売
- 1982年 地域を拡大して販売
- 1984年 常温で流通可能な生酒を新発売
この、常温で流通可能な生酒の発売日こそ「6月25日」だったんです。
でも、生酒ってチルド輸送しないと美味しくなくなるのでは?
どうやって、常温流通できるようにしたんでしょう?
その秘密は「限外ろ過」と呼ばれる技術と「ミクロフィルター」にあるようです。
月桂冠さんの公式サイトから、引用させてもらいますね。
一切火入れを行わない生酒の場合には、超精密ろ過技術(限外ろ過)により、酒中の酵素を90パーセント程度まで取り除き、酒質の変化を少なくして鮮度感を保持することで常温流通ができるようにしており、賞味期間も8カ月としています。
さらに、酵母や火落菌の除去にはミクロ(100万分の1ミリ)フィルターを活用した高度なろ過技術を用い、容器詰めはクリーンルーム(無菌室)の中で行います。
ようするに、高度な濾過技術と高性能フィルターで酒質変化の原因を取り除いてると。
そうすることで、甘ダレしたり変な匂いが発生するのを防いでると。
「通常の酒と同様、冷暗所で保存するなど、ていねいに取り扱うことが必要」としても。
常温流通できるなら、商品としては格段に扱いやすくなりますよね。
こんな資料も、みつけました。
生酒について(醸協 1986)(PDF)
資料の最後に「大倉酒造」とあります。
社名が「月桂冠」になる前の年の資料ですかね。
冒頭、こんな記述があります。
「生酒は極めて重要な商品である。問題も多いが冷静に科学的に長期的スタンスを定めて大型商品として皆で大事に育てていって欲しい」
このとき、月桂冠さんでは「輸送に清酒(生酒)を合わせる」技術を採用しました。
でも、現在は輸送技術側の発達で小資本の蔵でも生酒の出荷ができる状態になってると。
で、ボクたち現代の呑み助は、それらの恩恵にあずかってるわけです。
こうやって、生酒を飲んだことをきっかけに古い資料をあたってみると・・・。
にわか日本酒ファンには知る由もない「研究者・技術者のドラマ」を見た気がしますね。
おかげさまで、美味しくいただけました。
まとめ
“月桂冠 純米大吟醸 生酒”と“月桂冠 生酒 辛口”を飲み比べしました。
どちらも味わい控えめですが、フレッシュな風味が美味しかったです。
2つの生酒を比べてみると、酸味に大きな違いがありました。
純米大吟醸は、ふくらみのある豊かな酸味。辛口は、爽やかなレモンのような酸味です。
味わいは、純米大吟醸はフワッとしつつ複雑。辛口は、キリっとシャープな印象です。
ザックリ、純米大吟醸は和食に。辛口は洋食に合わせるといいんじゃないかと思います。
以下、この日本酒の概要です。
月桂冠 純米大吟醸 生酒
醸造元 | 月桂冠 株式会社 |
---|---|
分類 | 純米大吟醸酒 |
酒米 | - |
精米歩合 | 50% |
アルコール度 | 15度以上16度未満 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
参考価格 | 532円(税別)/280ml |
月桂冠 生酒(辛口)
醸造元 | 月桂冠 株式会社 |
---|---|
分類 | 普通酒 |
酒米 | - |
精米歩合 | - |
アルコール度 | 14度以上15度未満 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
参考価格 | 326円(税別)/280ml |
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